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モデル流通プラットフォーム(moderix®)を活用し、NEDO「複雑なシステム連携時に安全性および信頼性を確保する仕組み」の研究開発へ参画

豊田通商グループのエレクトロニクス商社、株式会社ネクスティ エレクトロニクス(本店:東京都港区、代表取締役社長:柿原 安博、以下:ネクスティ エレクトロニクス)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO)が公募し、学校法人立命館(以下:立命館)が採択を受けた「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/複雑なシステム連携時に安全性および信頼性を確保する仕組みに関する研究開発」において、「SoS※1の安全性・信頼性評価の省力化を実現する横断的なシミュレーションプラットフォーム(以下:本テーマ)」の研究開発を、立命館より受託しました。

 

1.背景

日本は、Society5.0の実現に向けて産業競争力を高め、自由で開かれた安全・安心なデータ流通の確立を目指してデジタルトランスフォーメーションを推進しています。DXの推進では、システム間の相互連携により、お互いの価値を高める仕組みの構築が期待されています。しかし、ドローンやサービスロボットなど、複数の異なる自律移動ロボット※2が同時に運用されている場所では、さまざまなシステムが複雑に相互連携しており、従来のように一律で規制されている法制度に基づいたガバナンスのみでは、SoSの特性である「事故の予見が困難」「原因特定が困難」「原因が複数存在」への対応が不十分です。また、SoSでは各システムの更新が高頻度で行われたり、AIによる判断が増えたりするため、システムの安全性や信頼性評価が膨大になり、かつ高頻度になることが想定されることから、省力化が重要になっていきます。

 

2.本テーマ概要

本テーマでは、DADC※3が作成した「自律移動ロボットアーキテクチャー設計報告書※4」を踏まえ、学生・教職員・地域住民が往来する立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)をリビングラボとして活用し、自律移動ロボット関連のヒヤリハットなどに対して、リアルタイムに原因究明と再発防止を図りながら現状復旧するアジャイル・ガバナンス※5の効果検証および課題抽出を進めることで、社会受容性の醸成、デジタルインフラ整備およびガバナンスのあり方を、下記①、②を通じて探究していきます。 

 

①SoS運用データの収集・管理・共有および社会受容性に配慮した横断的アジャイル・ガバナンスプラットフォームの構築

②SoSの安全性・信頼性評価の省力化を実現する横断的なシミュレーションプラットフォームの構築

 

ネクスティ エレクトロニクスは、本テーマの②において、複数のロボットや異なる管制システムのシミュレーターを連成させた横断型のシステム連成シミュレーション技術の試作と実証を行います。この実証では、自社開発したモデル流通プラットフォーム(以下「moderix®」※6)を活用します。今回の実証を通じて、SoSを実現するシミュレーターの早期開発と、SoSにおける安全性・信頼性を確保する仕組みの着実な社会実装を目指していきます。

 

【アジャイル・ガバナンスの全体イメージ】

 

 

※1 SoS:System of Systemsの略。運用の異なるさまざまなシステムが、複雑に相互接続して短期間で更新されていくシステム全体のこと

※2 自律移動ロボット:ドローン、サービスロボット、自動運転車など、自律的に移動するモビリティ全般を示す

※3 DADC(デジタルアーキテクチャー・デザインセンター):Society 5.0(超スマート社会)の実現に必要なデータの連携・共有を可能にする仕組みや制度を設計するための推進機関。

https://www.ipa.go.jp/dadc/index.html

※4 自律移動ロボットアーキテクチャー設計報告書:自律移動ロボットとデジタル技術で社会的課題を解決しながら富を創出する取組みを検討した報告書。社会全体で取り組むべきアーキテクチャーを設計。

https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/9f4e70e2-2335-4181-8293-258c12549d31/78a5c260/20220927_policies_mobility_report_02.pdf

※5 アジャイル・ガバナンス:ガバナンスとは、「ステークホルダーに共有された一定のゴールを達成するための仕組み(技術・制度・組織など)の設計・運用」であり、① 主体:マルチステークホルダー、② 手順:アジャイル、③ 構造:マルチレイヤーの3つの要素を持ったガバナンスを「アジャイル・ガバナンス」とする。(経済産業省・DADC, 2022『自律移動ロボットアーキテクチャ報告書(案)』)

※6 moderix®:自動車産業のソフトウェア設計の効率化を目的としたデジタル設計書を複数企業で流通させ、それらを仮想空間上でつなぎ統合的にテストができるクラウドサービスのこと。「moderix」は株式会社ネクスティ エレクトロニクスの登録商標(第6606602号)です。

https://moderix.com

 

 

【会社概要】

■ネクスティ エレクトロニクスについて

 会社名:株式会社ネクスティ エレクトロニクス

 所在地:東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル

 

ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループのエレクトロニクス事業の中核企業として、カーエレクトロニクスの分野においてトップクラスの規模を誇ります。同分野で培った自動運転技術、つながる技術などの最先端技術を、他の産業分野に積極的に転用するなど、技術・商材を核として、幅広い分野でお客さまや世の中のニーズに応え、社会課題のソリューションを提供しています。また、豊田通商グループのグローバルネットワークを最大限活用し、地域や分野を超えた最適なソリューションを提供しています。

詳細につきましては、以下をご覧ください。

ネクスティ エレクトロニクス HP: https://www.nexty-ele.com/