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電動車用のバッテリーをリユースする、大容量スイープ蓄電システム向け基板を開発

豊田通商グループのエレクトロニクス商社、株式会社ネクスティ エレクトロニクス(本店:東京都港区、代表取締役社長:柿原 安博、以下:ネクスティ エレクトロニクス)は、電動車用(HEV、PHEV、BEV、FCEV)のバッテリーをリユースする、大容量スイープ蓄電システム向け基板を開発しました。この基板は、株式会社 JERA(以下、JERA) と、トヨタ⾃動⾞株式会社(以下、トヨタ自動車)によりプレスリリースされた※1、リユースした電動⾞の駆動⽤バッテリーを活⽤した、世界初※2となる⼤容量スイープ蓄電システムに実装されています。

 

1.背景

カーボンニュートラルの実現に欠かせないCO2排出量の削減に向けて、蓄電池は再生可能エネルギーの導入拡大に必要な調整力として、今後需要が拡大していくことが見込まれています。加えて電池の材料となるコバルトやリチウムなどは、資源の埋蔵量に限りがあるため、使用済みの電動車用バッテリーを回収し、蓄電池として有効に活用するなど、地球環境に配慮した取り組みも求められています。

ネクスティ エレクトロニクスのお客さまであるトヨタ自動車は、このような状況に対応するため、2018年から電池のリユース技術の確立に向けて検討を重ねており、共同パートナーであるJERAとともに、電力系統への接続を含めたスイープ蓄電システムの運転を2022年10月より開始しています。

 

2.開発内容

スイープ蓄電システムは、バイパス経路を形成するパワー基板と、電池状態を監視してバイパス経路をコントロールする制御基板によって構成されています。

パワー基板は、バイパス経路をトランジスターで切り替え、直列に接続したそれぞれの電池またはバイパスに、100A以上の大電流を流すため、トランジスターのスイッチング制御、および熱設計の技術が必要となります。また、充放電量を任意かつ個別にコントロールできる制御基板は、電池の総電圧などを測定してパワー基板に指令を出すため、信号制御やノイズ抑制などアナログ回路のノウハウも必要となります。ネクスティ エレクトロニクスは、トヨタ自動車が検討を重ねているスイープ蓄電システムの開発に2019年4月より参画しました。制御基板で正しく電池残量を測定し、パワー基板を効率よくスイッチングすることで、蓄電システム全体の出力を上げることに成功しています。

 

ネクスティ エレクトロニクスは、スイープ蓄電システム向け基板開発など、カーボンニュートラルの実現に向けて、社会課題の解決にも積極的に取り組んでいきます。

 

※1:2022 年 10 ⽉ 27 ⽇プレスリリース

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/38149017.html

※2:2022年10月トヨタ自動車公表時点(自社調べ)

 

【開発したパワー基板】

【スイープ蓄電システムの概要】

 

【会社概要】

■ネクスティ エレクトロニクスについて

会社名:株式会社ネクスティ エレクトロニクス

所在地:東京都港区港南2-3-13 品川フロントビル

 

ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループのエレクトロニクス事業の中核企業として、カーエレクトロニクスの分野においてトップクラスの規模を誇ります。同分野で培った自動運転技術、つながる技術などの最先端技術を、他の産業分野に積極的に転用するなど、技術・商材を核として、幅広い分野でお客さまや世の中のニーズに応え、社会課題のソリューションを提供しています。また、豊田通商グループのグローバルネットワークを最大限に活用し、地域や分野を超えた最適なソリューションを提供しています。

詳細につきましては、以下をご覧ください。

ネクスティ エレクトロニクス HP: https://www.nexty-ele.com/