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近年、非接触で高精度な距離測定を実現する ToF(Time of Flight)センサーは、スマートフォンや家電に加え、産業機器やロボティクス分野でも重要な役割を担っています。ToFセンサーの性能は、測距方式や受光デバイスの違いによって大きく左右され、用途に応じた選定がシステム設計の上では重要となります。
ams OSRAM社は、光半導体メーカーとして、direct ToF方式による高精度・長距離測定を可能にするToFセンサー製品を提供しています。本資料では、ToFセンサーの基本を押さえつつ、ams OSRAM社製ToFセンサーの技術的特長とラインアップについて紹介します。
ToFセンサーとは何か?
ToFセンサー(Time of Flightセンサー)ICとは?
→ToF(Time of Flight)センサーとは、光が空間を伝搬する速度が一定であることを利用し、光を対象物に照射して戻ってくるまでの時間(飛行時間)から距離を算出するセンサーです。
従来のメジャーや定規のような接触・目視測定とは異なり、ToFセンサーは 非接触・高速・高精度 に距離情報を取得できるため、
- スマートフォンのカメラAF・顔認証
- 産業機器での距離・高さ・段差検出
- ロボット・AGVの障害物検知
- 家電・IoT機器のジェスチャ認識
など、幅広い分野で活用されています。
主なユースケース
障害物検知・落下防止
物体検知
障害物検知・衝突防止
人物検知
ピント調整・台形補正
人物検知
dToF(direct Time of Flight)基本原理
amsOSRAM製ToFはdToF方式を採用しています。
dToF方式による距離センシングは主に以下3つの手順で測定します。
1.VCSELからレーザー光を発射。参考:https://www.nexty-ele.com/technical-column/laser_03/
2.対象物で反射した光を受光
3.照射から受光までの光の飛行時間(Time of Flight)を計測
距離算出の基本式は以下となります。
計算式… 距離= 光の速度 x 飛行時間/2
※光は「往復」するため2で割る必要があります。
光を使った距離測定方法としては、dToF方式の他にiToF(indirect Time of Flight)方式もあります。
iToF方式は光が対象物まで到達して戻ってくる「時間そのもの」を直接測定するのではなく、照射光と反射光の「位相差(Phase Shift)」から距離を算出するToF方式です。それぞれの簡易的な比較は以下表をご覧ください。
| 項目 | dToF | iToF |
|---|---|---|
| 測距原理 | 光の到達時間を直接測定 | 位相差を測定 |
| 長距離性能 | ◎ | △ |
| 分解能 | 非常に高い | 比較的低い |
| 回路難易度 | 高い | 比較的低い |
dToF方式iToF方式の比較
※VCSELを含む半導体レーザーについては以下技術コラムでも解説していますので、併せてご参照ください。
amsOSRAM社が提供するToFセンサーの特徴
ams OSRAM社が提供するToFセンサーは、direct ToF(dToF)方式を採用している点が大きな特長です。
光が対象物まで到達して戻ってくる飛行時間を直接計測することで、高い距離精度と安定した測定性能を実現しています。
製品によって仕様は異なるものの、最大で約11mの距離を、0.25mm刻みという非常に細かな分解能で測定できるラインアップが用意されており、民生用途から産業用途まで幅広い要求に対応可能です。
また、受光側には SPAD(Single Photon Avalanche Diode) を採用しています。
SPADは1光子レベルの微弱な反射光でも検出できる高感度な受光素子であり、これにより低反射率の対象物や長距離測定時でも高いS/Nを確保できます。このようにams OSRAM社のToFセンサーは、高精度・長距離測定性能と高い光検出能力を両立している点が特長であり、距離検出を必要とするシステム設計において最適な製品です。
※SPADに関しては以下技術コラムでも解説していますので、併せてご参照ください。
Single zone ToF(1D ToF)Multi zone ToF(3D ToF)の違い
ams-OSRAM社の dToF(direct Time of Flight)センサー は、用途に応じてSingle zone ToF(1D ToF) と Multi zone ToF(3D ToF) の2種類に分類されます。両者の違いは、距離を「1点」で見るか、「面(複数ゾーン)」で見るかにあります。
Single zone ToF(1D ToF)
Single zone ToF は、センサー前方を 1つの測距ゾーン として扱い、対象物までの距離変化を高精度に検出する方式です。構成がシンプルなため、消費電力やシステム負荷を抑えやすく、接近検知や存在検知、高さ・段差検出など、「どれくらい近いか」を正確に把握したい用途に適しています。
Multi zone ToF(3D ToF)
Multi zone ToF は、受光エリアを 縦横の複数ゾーン に分割し、ゾーンごとに距離を測定する方式です。
これにより、距離だけでなく位置情報も同時に把握でき、左右や上下といった動きの方向を検出することが可能になります。
Single zoneでは難しい空間的な動作認識ができるため、ジェスチャ認識や人の動線検知、タッチレスUIなど、「どこで、どう動いたか」を捉えたい用途に向いています。
Single zone ToF(図:左)とMulti zone ToF(図:右)の検出イメージ
まとめ
amsOSRAMが提供するToFセンサーは、民生用途から産業用途まで幅広い要求に応える製品となっていますので、ご興味がありましたらネクスティ エレクトロニクスまでお問い合わせください。
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