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ユーザーインターフェイス(HMI:Human Machine Interface)は、衛生性、耐久性、デザイン性、そして誤動作の少ない確実な操作性など、多様な要求を同時に満たす必要があります。
こうした課題に応える技術として、近年注目されているのが光学式センシングです。光を使って距離・接触・押し込み量を検出するため、静電容量方式やメカニカルスイッチでは難しい環境でも安定して動作します。
Vishay は 光学式センシングを活用した HMI を短期間で設計できるよう、3つの方式のReference Design (設計情報:Quick Design Guide・BOM・回路図・PCB
ガーバーデータ、3D Stepファイル、SWソースコード)をすべて無償で提供します。
Reference Designに含まれるQuick Design Guideは下記 の 3 方式を体系的にまとめた最新の技術資料です。
- Touchless(非接触)
- Optical Touch(光学式タッチ)
- Force Sensing(光学式フォース検知)
本コラムでは、Quick Design Guideにある各方式の仕組み・設計ポイント・適した用途を、開発エンジニアの視点でわかりやすく解説します。
1. Touchless(非接触)— VCNL36828P による距離検知
Touchless Switching – System Overview
Touchless は、指が近づいた際の反射光の増加を検出する方式です。 ボタンに触れずに操作できるため、衛生性やデザイン性を重視する製品で採用が増えています。
1-1. 仕組み:反射光の“変化量”を検出する
Working Principle
Touchless の特徴は、光の絶対量ではなく、基準値からの変化量(デルタ)で判定する点です。 これにより、カバー材の違いや外光の影響を受けにくく、複数ボタンを並べても均一な操作感を実現できます。
1-2. 設計ポイント
-
カバー材とセンサー距離が感度を左右
Cube ではセンサーとカバーの距離を 0.1 mm に設定し、クロストークを最小化しています。 -
センサー間距離は誤検知防止の鍵
Cube では 7.5 mm の間隔を採用し、指のサイズと光学的広がりのバランスを最適化しています。 -
デルタカウント方式で安定したしきい値設定
オフセット値+1000 カウントをしきい値とすることで、個体差や経時変化に強い設計が可能です。 -
外乱(太陽光・水滴・埃)に強い
キャリブレーションと環境補償機能により、実使用環境での誤動作を抑制します。
1-3. 適した用途(選定アドバイス)
-
家電の隠しスイッチ:デザイン性を損なわず非接触操作を実現
-
公共設備の非接触 UI:衛生性が求められる環境に最適
-
スマートホームのジェスチャー操作:直感的な操作が可能
-
複数ボタンのスライド操作:Touchless の特性を活かした UI が構築可能
2. Optical Touch(光学式タッチ)— VCNT2025X01 による接触検知
Optical Touch Switch – System Overview
Optical Touch は、指がガラスに触れた瞬間に発生する 反射光の急増 を検出する方式です。 静電容量方式のように人体の電気特性に依存しないため、手袋越しでも確実に反応し、外光ノイズにも強いのが特長です。
2-1. 仕組み:接触時の“急激な反射増加”を検出
Working Principle
指がガラスに触れると反射光が一気に増加し、この大きな変化量により誤検知が少なく、確実なオン/オフ検出が可能です。
2-2. 設計ポイント
-
カバー厚・窓径・距離が感度に直結
推奨距離は 3〜6 mm。 Cube では 2 mm のカバーを 3.5 mm 離して配置し、視野角を確保しています。 -
パルス駆動+ハイパスフィルタで外光ノイズを除去
エミッタを 50 µs パルスで駆動し、太陽光などの定常光をフィルタリングします。 -
オフセット除去としきい値設定が容易
カバーによるオフセット電圧を測定し、その 1.8 倍 をしきい値に設定します。 -
水滴・汚れ・太陽光に強い
広い視野角とオフセット補正により、実環境での安定性が高い方式です。
2-3. 適した用途(選定アドバイス)
-
医療機器の防水・防汚タッチボタン:手袋越しでも確実に反応
-
産業機器の高耐久スイッチ:外乱に強く誤動作が少ない
-
手袋着用時の操作:静電容量方式の弱点を克服
-
光学式エンコーダ・ノブ:高精度な位置検出と相性が良い
3. Force Sensing(光学式フォース検知)— VCNL4030X01による押し込み量検出
Force Feedback – System Overview
Force Sensing は、押し込み量に応じて変化する光路の変化を検出し、アナログ量として読み取る方式です。 メカニカルスイッチのクリック感を残しつつ、押し込み量に応じた操作が可能になります。
3-1. 仕組み:押し込み量を“光の変化”として検出
Working Principle
押し込むことで内部の光路が変化し、受光量が連続的に変わります。 これにより、軽押し〜強押しまでの力を高分解能で検出できます。
3-2. 設計ポイント
-
摩耗がなく高耐久:接点がないため長寿命
-
押し込み量を連続的に検出:UI の表現力が向上(軽押し=選択、強押し=決定)
-
クリック感の再現が可能:メカ構造と組み合わせて自然な押し心地を実現
3-3. 適した用途(選定アドバイス)
-
車載の押し込み式 UI:高耐久・高信頼性が求められる領域
-
産業機器の圧力入力:アナログ量の入力に最適
-
医療機器の精密操作:微妙な力加減を検出可能
-
家電の押し心地を伴う操作パネル:ユーザー体験の向上
-
ゲーミングデバイスのアナログ入力:力の強弱を活かした操作
4. 光センサーHMI Referene Design が提供するもの
BOM
Schematic
Step files and Assembly
Pseudo-Code
Algorithm description
PCB Files
Documentation Overview
光センサーReference Designは、光学式センシングを短期間で実装するための包括的な資料群です。
-
ユーザーマニュアル
-
クイックデザインガイド
-
アプリケーションノート(動作原理・設計課題)→2026年4月リリース予定
-
回路図・BOM・PCB データ・3D STEP ファイル
-
SWソースコード・アルゴリズム説明
-
SW・HW組み込みガイド
これらを活用することで、開発初期の検証から量産設計までスムーズに進められます。
5. まとめ:光センサーReference DeisgnによりHMI設計はさらに進化する
Touchless、Optical Touch、Force Sensing の 3 方式は、
-
機構設計
-
信号処理
-
キャリブレーション
-
外乱対策
という共通の設計思想を持ちながら、用途に応じて明確な使い分けが可能です。
-
非接触で衛生性を重視するなら Touchless
-
確実なオン/オフ検出なら Optical Touch
-
押し込み量を活かした操作なら Force Sensing
今回リリースされたReference Designを活用することで、 高信頼・高デザイン性の 光センサを使ったHMI を短期間で実装できる点が大きな魅力です。
当社では、用途に応じた方式選定や部品比較、将来の技術トレンドを踏まえたご提案も可能です。 ぜひお気軽にご相談ください。
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