デジタル方式の第2世代移動通信システム
2G通信概要
2Gとは
2Gの"G"とはGeneration(世代)の略で、2Gとは第2世代の無線通信方式を意味します。
1993年からそれまでのアナログ方式に代わってデジタル方式によるサービスが開始されました。
サービス面では、2Gでのパケット交換技術を用いた通信の実現に伴い、音声通話の伝送の他にデータ通信サービスも本格的に開始され、携帯電話向けインターネット接続サービスが提供されました。
技術面では、デジタル方式を採用することでデータの符号化及び圧縮が可能となり、必要な帯域を大幅に減らすことが可能となりました。
2Gは当初、同時期に存在したポケットベルやPHSといった他の移動通信システムと比較して、利用料金の割高さや通信速度・品質で劣る等を指摘されていましたが、さまざまな制度改革や技術革新を経て改善されました。それに伴って携帯電話加入者数が大きく伸び、通信基盤としての携帯電話サービスが世の中に広く普及・定着しました。
各世代の無線通信方式とは
1Gから5Gまでの特徴は以下の通りです。
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1G
音声をアナログ方式で通信する通信規格。日本では1979年12月に電電公社が開示した自動車電話や、1985年の肩掛け式の移動電話などで採用されました。アナログ方式での通信のため、ノイズが大きく、盗聴されやすいリスクがありました。 -
2G
1993年に登場したデジタル方式による通信規格。無線技術がデジタルになることで携帯電話によるデータ通信の利用が本格化し、メールやインターネットを携帯電話で使えるようになりました。 -
3G
国際規格に準拠した通信規格。2Gまでの規格は世界各地で別々に技術開発が進められていたため、1台の携帯電話で世界中使用はできませんでした。その課題を解決するために国際規格に準拠する通信規格として3Gが登場しました。CDMA方式により接続台数が増え、またカメラ機能が搭載、静止画などの配信やブラウザなどが携帯電話で使えるようになりました。また、IoT機器で無線通信として使用されるようになりました。 -
4G
通信速度が更に高速化された通信規格。MIMO技術などにより伝送容量が拡大することで、動画配信サービスの視聴やスマートフォンゲーム、音楽配信などの大容量コンテンツが携帯電話/スマートフォンにて手軽に楽しめるようになりました。また、音声通話のIP化としてVoLTEのサービスが開始されました。 -
5G
超高速通信、超低遅延通信、多数同時接続という特徴を備えた通信規格。4K/8K高精細映像やAR/VRを活用した臨場感のある映像の伝送、また自動運転サポートや遠隔医療などを実現し、さまざまなサービス、産業で活躍の場を広げています。

日本での2G通信の利用
日本における2G通信とは
日本は日本独自のPDC(Personal Digital Cellular)方式と、米国のIS-95という方式であるcdmaOneの2種類がありました。
まず、1993年にNTTが開発したPDC方式がNTTドコモで採用され、1994年にはセルラーグループ、IDO(日本移動通信株式会社)及びデジタルホングループがそれぞれPDC方式によるサービスを開始しました。
その後、1998年からは、セルラーグループ及びIDOが、次世代(3G)の技術を先取りしたcdmaOneを採用したことにより、国内で異なる技術方式が併存することになりました。
現在の日本での2G通信の状況
日本では、2Gのサービスを2012年に終了しました。
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海外での2G通信の利用
海外における2G通信とは
欧州は国・地域間の移動が一般的であったため、国をまたがることで携帯電話が使えなくなる不便さを解消するため、規格を統一することがETSI(欧州電気通信標準化協会)によってGSM(Global System
for Mobile
Communications)定められました。
独自規格を利用していた日本や韓国を除いて欧州からアフリカ、アジア、オセアニアなど130か国以上でGSMが採用されました。GSMと同時にSIMカードの仕組みが導入され、SIMカードを入れ替えるだけで外国での利用が便利になりました。
米国はGSMだけでなく、CDMA、D-AMPSなど複数の規格が併存しました。
現在の海外での2G通信の状況
欧州では2Gは一部サービスを終了しておりますが、未だ継続してサービスが運用されております。 米国では2Gのサービスを終了しました。
アフリカや中南米では2Gのサービスが運用されいます。
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