デジタル方式の第2世代移動通信システム
GSMとは
2G通信技術の一つであるGSMに関して説明します。
GSMシステム
GSM(Global System for Mobile Communications)は、ETSI(ヨーロッパ電気通信標準化協会)によって規定されたもので、ヨーロッパ全土で共通に使えることを目指して開発されました。
その後、独自規格を利用していた日本や韓国などの国を除く130以上の国で採用され、携帯電話業界の標準規格となりました。
SIMカード
加入権情報(電話番号)は「SIM(Subscriber Identity Module=契約者識別)カード」と呼ばれるICカードに書き込まれ、ユーザーに渡されます。機種変更時はこのICカードを差し替えるだけで済み、1台の端末で複数の通信事業者を使い分けることが可能となります。
当時日本では携帯電話端末そのものに加入権情報(電話番号)を登録してサービスを利用していたため、機種変更時には端末から端末へ電話番号の書き換えをする作業が必要となりました。
SMS
SMS(Short Message Servise)は、相手の電話番号を指定して全角なら数十文字、半角なら百文字程度(最大140オクテット)までの文字メッセージを即時に交換できる通信技術となります。
インターネットやEmailはパケットネットワーク上での通信に対し、電話やSMSは回線交換ネットワーク上での通信となります。
SMSはテキストメッセージを信号線およびシグナルチャネルで運ぶことによりサービスを実現しています。
そのため、災害時などでパケットネットワークや回線交換ネットワークに通信規制がかかっても、SMSは回線交換方式におけるシグナリングチャネルを使用しているため、通信回線に負担をかけずに連絡を取るための有効な手段といえます。
TDMA/FDD
下り(基地局->端末方向)と上り(端末->基地局方向)の通信では周波数による分割FDD: 周波数分割複信を使用し、片方を送信専用、もう一方を受信専用とすることで同時に送受信できるようにしています。
基地局と複数の端末との同時通信には時間による分割TDMA: 時分割多元接続を使用しています。

GSMの周波数帯
GSMには大きく3種類の周波数帯があります。900MHz帯を使用しているGSM900、1800MHz帯を使用しているGSM1800、1900MHz帯を使用しているGSM1900です。
GSM900
880-915MHz、925-960MHzの電波を使用するGSM900は、GSM方式の中で最もポピュラーなシステムで多くの国で普及しており、北米以外のGSM採用国のGSMサービス提供国にはまずこの方式でのサービスがあります。
GSM1800
新しい方式で主に都市部からサービスが始まっています。GSM900の回線が都市部で逼迫したため、新たな回線として採用されました。
GSM1900
主に北米で使用されております。
その他の通信仕様
GSMの高速通信仕様は、以下のようなものがあります。
GPRS
GPRS (General Packet Radio Service)というパケットデータ機能が追加されました。GPRSはインターネットブラウジング、WAPアクセス、SMSといった全てのデータサービスに使用できます。GSMとは異なり、GPRSはパケット通信方式です。複数ユーザー間で、データ送信が必要な場合にだけ同じ伝送チャネルが共有されます。GPRSで達成可能なデータレートは、サポートされるマルチスロットクラスによって異なります。タイムスロットあたりの最大データレートは21.4 kbit/s、ダウンリンク(下り)またはアップリンク(上り)のいずれかで最大8スロットが使用可能です。
EDGE
データ伝送レートの向上とネットワーク容量の拡大を目的とし、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution)が導入されました。EDGEでは、TDMAの無線方式、8PSK(八位相偏移変調 )という変調方式が採用されています。
従来のGPRSではRF変調シンボル1個で1ビットを表していたのに対し、この方式ではシンボル1個で3ビットを表します。この技術的変更により、EDGEでは実効データレートが3倍になり、ピーク・データ・レートはタイムスロットあたり59.2 kbit/sに達しました。GPRSと同様、達成可能な最大データレートは、移動機でサポートされるマルチスロットクラスに依存します。
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