3G通信概要
3Gとは
3Gの"G"とはGeneration(世代)の略となり、3Gとは第3世代の無線通信方式を意味します。
一番の特徴は2Gと比べて高速なデータ通信が可能となりました。それによりインターネットやメールなどのデータ通信が快適になりました。また1台の携帯電話で世界中使用できるよう国際連合専門機関であるITU(国際電気通信連合)が標準化を進めたのも3Gとなります。
3Gの通信速度は2Gと比較して大幅に向上
3Gの通信速度は下り最大14Mbps、上り最大5.8Mbpsです。2Gの通信速度は下り最大384kbps、上り最大64kbpsですので、通信速度が大幅に向上しております。
3Gの高速通信によりインターネットやメールなどのデータ通信が快適に利用できるようになりました。また動画の視聴やアプリのダウンロードも可能になり、モバイルインターネットの利用が広がっていきました。それにより企業のビジネスモデルにも変化が生まれ、モバイル広告などモバイル向けサービスが登場し新たな市場が創出されました。
3Gの通信方式
3Gの通信方式にはW-CDMA、CDMA2000、TD-SCDMAなどがあります。日本ではNTTドコモがW-CDMA、auがCDMA2000、ソフトバンクがW-CDMAを採用しております。
W-CDMAはヨーロッパや日本で主に使われている通信方式です。
CMDA2000は北米や韓国で主に使われており、TD-SCDMAは中国で使われております。それぞれの通信方式には特徴があり、通信速度や通信品質に違いがあります。
国際標準仕様
第3世代の無線通信方式(携帯電話システム)の国際標準仕様を策定する目的として3GPP(3rd Generation Partnership Project)が1998年に各国・地域の標準化機関によって設立されました。設立当初はヨーロッパ、北米、日本、韓国の標準化機関から構成されましたが、中国やインドの標準化機関も加わり、現在は主に以下から構成されています。
国 | 略称 | 機関名(英語) | 機関名(日本語) |
ヨーロッパ | ETSI | European Telecommunications Standards Institute | 欧州電気通信標準化機構 |
北米 | ATIS | Alliance for Telecommunications Industry Solutions | 電気通信標準化連合 |
日本 | ARIB | Association of Radio Industries and Businesses | 電波産業会 |
日本 | TTC | Telecommunication Technology Committee | 情報通信技術委員会 |
韓国 | TTA | Telecommunications Technology Association | 電気通信技術協会 |
中国 | CCSA | China Communications Standard Association | 中国通信標準化協会 |
インド | TSDSI | Telecommunications Standards Development Society, India | インド電気通信標準化協会 |
今後の3Gは
3G停波の理由
3G回線は20年以上提供され続けたサービスですが、主に以下理由により停波されます。
- LTEの普及により3G契約数が減少
- ネットワーク設備の老朽化
- 通信速度が4G/5Gより遅く実用的でない
- 3G用の周波数帯を4Gや5Gに割り当てたい
3G停波後に3G通信端末は使用できるのか
3Gのみ対応している通信端末は3G停波後は使用することができなくなります。
3G・LTE対応の通信端末はLTEで通信することができるため基本使用可能ですが、契約しているサービスによっては通信が途切れることがあるため、各キャリアへの確認が必要となります。
-
3Gのみの通信端末
-
3G・LTE対応の通信端末※
- サービスによっては通信が途切れる可能性があるため、キャリアへの確認が必要です
日本での3G停波の時期
各キャリアの3Gサービス終了時期は以下の通りです。
キャリア | 3Gサービス終了時期 |
NTTドコモ | 2026年3月31日 |
au | 2022年3月31日 |
ソフトバンク | 2024年4月15日 |
海外での3G
世界の3G普及率
国内の3G時代はモバイルインターネットの成長期と重なったため華やかでしたが、世界的には2000年に欧州で実施された周波数オークションで免許料が高騰したことでテレコンバルブが崩壊し、欧州通信事業者の投資余力が削がれてしまいました。そのため3Gの普及率は韓国(99.3%)、日本(98.6%)についでカナダ(90.7%)、米国(74.9%)と高いですが、イギリスやドイツ、フランスなどの欧州主要3か国は50%を下回っています。
北米
北米の通信方式はCDMA2000とW-CDMAとなります。
3GはAT&Tが2022年2月、T-Mobileが2022年7月、Verizonが2022年12月に停波しました。
韓国
韓国の通信方式はCDMA方式とW-CDMA方式となり、CDMA方式の復旧率は世界トップクラスとなります。韓国ではまだ3G停波が予定されておりません。
欧州
欧州の通信方式はW-CDMAやCDMA2000となります。
フランスのOrangeは2025-30年で段階的に停波を予定、イギリスのVodafoneは2024年に3Gを停波しました。
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