4G通信概要
4G通信とは当初、LTE(Long Term Evolutionの略)と呼ばれ、「3.9G」とも呼ばれていました。その後、2010年以降にLTE-AdvancedとWirelessMAN-Advanced(WiMAX2)の2規格が策定され、それらも合わせて「4G通信」と規定されました。
LTEと4G通信の違い
LTEは3G通信から4G通信への移行期に開発された通信規格で、4G通信の一世代前の規格となります。
4G通信は第4世代移動通信システムの総称で、LTEを含む複数の通信規格があります。
国際電気通信連合(ITU)がLTEと4G通信を同じ通信規格として認定しているため、LTEと4Gを区別するキャリアは少なくなっているのが現状となります。
4G通信の対応周波数(日本)
4G通信に使用される日本国内での周波数帯は以下の通りとなります。
周波数 | 700MHz帯 | 800MHz帯 | 900MHz帯 | 1.5GHz帯 | 1.7GHz帯 | 2.0GHz帯 | 3.5GHz帯 | ||
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キャリア | Band28 | Band18,26 | Band19 | Band8 | Band11 | Band21 | Band3 | Band1 | Band42 |
NTTドコモ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
KDDI(AU) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ソフトバンク | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
楽天 | 〇 |
4G通信から5G通信への移行
4G通信は2025年2月時点でサービスが終了する予定はなく、今後しばらくは5G通信と4G通信は並行して運用されることが考えられます。
4G通信に使われている代表的な技術
4G通信に使われる主な技術は以下となります。
これらの技術により、4G通信は高いデータ通信速度、低遅延、広範なカバレッジを実現しました。
OFDM(直交周波数分割多重)
4G通信では、データを複数のサブキャリアに分割して同時に送信するOFDM技術を使用しています。これにより、周波数の利用効率が向上し、マルチパス干渉に対する耐性も強化されます。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)
MIMO技術は、「Multi Input Multi Output」の略で、同一の周波数帯域で複数のアンテナを使用し同時にデータを送受信することで、通信速度と信号品質を向上させます。IEEE802.11n(WiFi4)などでも採用されており、4G通信では、2x2や4x4 MIMO構成が一般的に使用されます。
2×2MIMO図
Carrier Aggregation(キャリアアグリゲーション)
4G通信(LTE-Advanced)では、複数の周波数帯域を同時に利用することで、通信速度をさらに向上させるキャリアアグリゲーション技術が導入されています。