リップル除去比とは
リップル除去比とは、入力電圧のリップル(Δvin)が出力電圧で除去(減衰)される比率になります。
PSRR(Power Supply Ripple Rejection、Power Supply Rejection
Ratio)、電源電圧変動除去比やリップル除去率とも呼ばれます。
一般的に対数で表し計算式は下式となります。
リップル除去比=20×log(ΔVin/ΔVout)
20dB:1/10 40dB:1/100 60dB:1/1000
例えばリップル除去比が40dBであれば1/100となるため、入力リップル=100mVの場合、出力リップルは1mVに低減します。
図1 リップル除去比
特性
リニアレギュレーターの制御(アンプ)は周波数特性を持つため、リップル除去比も周波数依存があります。
リップル除去比の周波数特性例を図2に示します。
周波数が高くなるにつれリップル除去比は低下していき、ある周波数から増加します。
これはある周波数からリニアレギュレーターの制御が応答できず、出力ドライバーのON抵抗が固定となりON抵抗と出力容量のRCフィルターによるためです。
リップル除去比をデータシートのスペック表で確認する場合、周波数の規定に注意する必要があります。
また入出力電圧差、出力電流によっても特性は変わり、入出力電圧差がドロップアウト電圧に近くになるとリップル除去比は悪化します。
図2 リップル除去比 vs 周波数
一般的にリップル除去率がよいと、過渡応答性もよくなります(入力変動、負荷変動による出力電圧の変動が少ない)。
またリップル除去率が良いリニアレギュレーターは消費電流が多くなる傾向があり、リップル除去率(応答性)と消費電流はトレードオフの関係になります。
(回路の工夫で消費電流が少なくリップル、応答性も良いリニアレギュレーターもあります。)
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