広帯域センサーネットワークを実現する近距離無線規格
PANとは (Personal Area Networkとは )
Personal Area Network(パーソナル・エリア・ネットワーク、PAN)とは、個人周辺の電子デバイス間通信で用いられるネットワークです。
通常モバイル・ウェアラブル利用が目的で、設計にも反映されています。
一方、家庭周辺や周辺機器などの固定利用が前提のホームネットワークや、複数ユーザーが多数の機器を相互接続するローカルエリアネットワークとは区別されます。
また、PANには大きく2種類のタイプがあります。
有線PAN:USB、FireWire、IEEE1394、Lightning、Dockコネクタ、Thunderboltなど
無線PAN:IrDA、Bluetooth、UWB、Z-Wave、ZigBeeなど
ZigBeeネットワークでは、各ネットワークはPAN IDの16ビット識別子で区別されます。これは大規模なPANを構成するのに十分な16bitのアドレス空間をもち、理論上最大64,000個以上のデバイスを1つのネットワークに収容できることを意味します。
ZigBeeネットワークへの参加
デバイスがすでに存在するZigBeeネットワークへ参加しょうとすると、下記プロセスが開始されます。
デバイス検出
PANを生成するために、コーディネータが最初に各チャンネルの使用状態を調べ、干渉電力の少ないチャンネルを確認します。次に、アクティブスキャンで周囲に同様なコーディネータが存在しないか確認します。そして、PANが利用するチャンネルとPANが利用するPAN IDを選択します。
アソシエーションリクエスト
アクティブスキャンで得られたNode Descriptor内にはビーコン信号を応答したデバイスの64bitアドレスが格納されています。この情報を元にして、ZigBeeネットワークを選択後、デバイスからコーディネータにアソシエーションリクエストを送信します。
アソシエーションレスポンス
アソシエーションリクエストをコーディネータが処理し、デバイスのネットワークへの参加要求可否を決定します。参加デバイスには16bitのアドレスが割り当てられます。このアドレスは、ネットワーク内のアドレス指定に使用されます。そして、コーディネータは、アソシエーションレスポンスをデバイスに送り返します。
ネットワーク統合
アソシエーションレスポンスを受信すると、参加デバイスは自身を初期化してZigBeeネットワークの一部となります。そして、新しく参加したデバイスは、自分の64bitアドレスと16bitアドレスの対情報とデバイス属性情報をネットワーク全体にブロードキャストします。
ルーティングテーブル更新
ルータがネットワークに参加すると、コーディネータと既存のルータはルーティングテーブルを更新します。更新されたルーティングテーブルにより、データがネットワークを通じて効率的にルーティングされることが保証され、ZigBeeネットワークで多く採用されているメッシュネットワークが確立されます。
セキュリティ確立
ZigBeeネットワークで最も懸念事項であるセキュリティは、ネットワーク参加後に、デバイスが暗号キーを使用して安全な通信チャネルを確立します。そして、PAN内に1台存在するトラストセンターにより、PANの暗号鍵を配布、管理されます。通常コーディネータがこの役割を果たします。
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