断面解析とは?

断面解析とは、材料や構造物の内部構造や特性を調べるために、その断面を観察し解析する手法です。
断面観察を行うことで、材料の内部構造、欠陥、組織、結晶構造などを詳細に理解することができ、 材料の特性や品質を評価するための重要な手法であり、設計・開発や品質管理において欠かせない技術です。

断面解析の活用例

断面観察の目的は多岐にわたりますが、以下のようなケースが一般的です。

  • 内部構造の観察
    材料や部品の内部構造を明らかにし、結晶構造、相構造、繊維配向、層構造等を確認
  • 欠陥の検出
    内部に存在する欠陥(クラック、ボイド、異物混入など)を検出し、製品の品質や信頼性を評価
  • 接合部の評価
    溶接や接着の品質を評価し、接合部の強度や一貫性を確認

ネクスティ エレクトロニクスの断面解析

ネクスティエレクトロニクスでは、機械断面研磨とイオンミリングの2種の断面解析に対応します。

1. 機械断面研磨

機械断面研磨は、機械的な手法を用いて材料を研磨します。
大きな面積や厚い試料の加工に適していますが、応力により研磨面に細かいキズやダレが生じる可能性があります。

ネクスティ エレクトロニクスの断面解析で使用する機械断面研磨装置 TOP TECH PLATOの画像

機械断面研磨装置
TOP TECH PLATO
加工範囲目安:Max Φ30mm

  • BGAのはんだボールクラック

  • アルミワイヤネック部のクラック

  • PCB基板 スルーホールの出来映え調査

  • リードの断面とメッキ厚さ測定・メッキ材料のEDXマッピング
    EDX元素同定によりメッキ部(黄色部)にSn(スズ)を検出

2. イオンミリング

イオンミリングは、イオンビームを用いて高精度に表面を加工します。
微細構造の確認に適していますが、加工範囲が機械断面研磨ほど広くありません。
そのため、用途や試料の特性に応じて、適切な方法を選択することが重要になります。

イオンミリングには平面ミリングと断面ミリングの2種類があります。

イオンミリング装置 日立ハイテク製 ArBlade5000の画像

イオンミリング装置
日立ハイテク ArBlade5000
加工範囲目安:平面Φ30mm
       断面1~5mm

平面ミリング

平面ミリングは、主に機械断面研磨で鏡面仕上げをした後の研磨キズやダレを除去する目的で使用します。
平面ミリングの利点として、広範囲(約30φ)の加工範囲が挙げられます。
一方、加工の深さは数μm~10μm程度と浅いため、機械断面研磨後の鏡面仕上げ後に深いキズやダレが残っている場合には、平面ミリングではきれいに除去することが難しいです。

断面ミリング

断面ミリングは、加工目的部の100~200μm程度手前からイオンビームで試料を削り進めるため、目的の加工面が直接応力を受けることはありません。
そのため、応力によりダレや破壊されやすい材料でも平滑な加工面を出すことができます。
一方、加工範囲は1~5mm程度と狭く、断面ミリングは平面ミリングに比べ加工範囲が制限されます。

イオンミリング加工事例

断面ミリングは、加工目的部の100~200μm程度手前からイオンビームで試料を削り進めるため、目的の加工面が直接応力を受けることはありません。
そのため、応力によりダレや破壊されやすい材料でも平滑な加工面を出すことができます。
一方、加工範囲は1~5mm程度と狭く、断面ミリングは平面ミリングに比べ加工範囲が制限されます。

ネクスティ エレクトロニクスの断面解析例:平面ミリング Pbフリーはんだ合金層断面の画像

PCB基板 平面ミリング Pbフリーはんだ合金層断面

機械断面研磨だけではCu-Sn合金部の形状がはっきりと確認できないが、平面ミリングをかけることで形状が鮮明に見え、合金層の厚さを正確に確認できた。

ネクスティ エレクトロニクスの断面解析例:断面ミリング Auボンディング-Alパッド接合部断面の画像

断面ミリング Auボンディング-Alパッド接合部断面

ボンディング接合を断面観察する際、機械研磨では応力によりAlパッド部が破壊されやすく、きれいな断面を確認する事が難しいが、断面ミリングでは機械的応力をかけずビームのみ削るため、Alパッドを破壊することなく接合部が確認できた。

機械断面研磨とイオンミリングの使い分け

はんだクラック、PCB基板の層の出来映え、リードメッキ層の厚さ確認などの、大きな面積を観察したい場合は、機械断面研磨を行います。
ボンディング接合部、金属間の合金接合部などの、微細な構造を観察したい時はイオンミリングを使用します。
ネクスティ エレクトロニクスでは、目的・用途に合わせた適切な断面解析方法を提案・提供します。

ご依頼の流れ

お問い合わせ、お見積りは無料です。
ネクスティ エレクトロ二クスが取り扱う商材以外のデバイスでもご利用可能です。
ご興味をもっていただけましたらどなたでもお気軽にお問い合わせください。

1. お問い合わせ

お問い合わせフォームから、ご依頼内容、ご依頼のサンプル情報、個数、予算、希望納期をお知らせください。
お客さまで解析やご依頼に関する資料などお持ちでしたら、ご一緒に送付ください。※サンプル情報やご予算は公開可能範囲で構いません。

2. お問い合わせへの回答とヒアリング・お見積り

ネクスティ エレクトロニクスの担当者より、お問い合わせ、ご依頼の詳細をヒアリングさせていただきます。
ヒアリング中に解析内容の確認、解析の可否、その他ご要望等を確認し、 お見積りと納期を確認の上、ご連絡いたします。
解析内容、お見積り、納期をお客さまでご検討いただき、正式に発注いただける場合に、正式お見積りを送付いたします。

3.ご依頼の発注と解析サンプルの送付

お客さまより、ご依頼の注文書を送付いただきます。注文書受領後に、解析作業を開始します。
解析サンプルの送付先は、ネクスティ エレクトロニクスよりご連絡します。

4. 解析作業開始

ご依頼の解析を行います。
解析途中の結果が欲しい場合は、中間報告の対応も可能です。
・非破壊解析から破壊解析に移る前に一度報告が欲しい
・解析個数が多い場合、途中でも取り急ぎ解析結果を知りたい  など

5.解析結果のご報告

解析結果を報告書にまとめ、お客さまへ送付します。
結果についての不明点や、質問などがあった際は、お気軽にご質問ください。

6. お支払い処理と解析サンプルのご返却

お客さまにて検収後に、ネクスティ エレクトロニクスより解析サンプルと請求書・受領書・納品書を送付します。
お支払い処理をお願いいたします。

お問い合わせ

ご相談、ご質問、お見積り依頼などを、下記のボタンより受け付けています。
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お見積り依頼の場合は、下記の項目を記載いただくとスムーズです。
記載がない場合もご案内させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。確認次第、担当者より回答します。

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所在地〒446-0004
愛知県安城市尾崎町大縄1-3
対応サービス故障解析良品解析信頼性試験:加速試験断面解析

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お客様に必要なサービスを行える拠点で対応させていただきますので、ご要望があればまずはボタンよりお問い合わせください。

品質・解析サービス拠点のポイント

ネクスティ エレクトロ二クスのVAセンター部では、下記の通り万全の体制で、ご安心いただける品質・解析サービスを提供しています。

  • 建物設備

万全な耐震設備

  • セキュリティ

監視カメラモニター、入退室管理

  • 作業環境

温度・湿度管理、静電対策

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