LED技術コラムでは、LEDの基本、歴史、点灯原理、構造について解説します。LEDの特性や用途を理解し、選定に役立つ情報を提供します。
LEDの基本
LEDとは?
LEDは、Light Emitting Diodeの頭文字をとった言葉で、電気を光に変換する半導体デバイスです。
LEDは、エネルギー効率が高く、長寿命で環境に優しい特徴を持ち、照明、ディスプレイ、自動車のヘッドライトなど様々な用途で広く用いられています。
LEDは、特定の色の光を出すことができ、紫外線から可視光、赤外光までの光を生成することができます。

LEDが登場するまでの光源の歴史
最も古い光源は火です。火は暖を取るだけでなく、夜間の照明としても利用されていました。
その後、油を使ったろうそくが登場し、ろうそくが主な照明手段として使われました。
18世紀に入ると、白熱電球が発明され、電気を使った照明が普及し始めました。
19世紀に入ると、蛍光灯が開発され、白熱電球よりエネルギー効率が高く、長寿命であることから様々な場所で普及しました。
20世紀後半には、青色LEDの高輝度化に伴い、白色LEDが実現しました。
現在では、エネルギー効率が高く、長寿命で環境に優しい照明として広く普及しています。
LEDの点灯原理
LEDは、ダイオードの構造を持つため、極性があります。
P型半導体側をアノード、N型半導体側を「カソード」と言います。P型半導体にプラスの電圧、N型半導体にマイナスの電圧をかけることを順方向バイアスと言います。
順方向バイアスをかけると電流が流れることでP型半導体のホールとN型半導体の電子が再結合します。
再結合する際、余ったエネルギーが光として放出されます。
これが、LEDの光の正体です。
逆にP型半導体にマイナスの電圧、N型半導体にプラスの電圧をかけることを逆方向バイアスと言います。
逆方向バイアスをかけた場合、電流が流れないため、LEDは光りません。
LEDの構造
LEDの内部構造は下図の通りです。それぞれの構造を解説します。
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1.LEDチップ
チップに電流を流すことで発光します。
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2.電極
電流をチップに流す導電性の接点となります。
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3.ワイヤ
チップと電極を接続するための線です。
これにより電極からチップへ電流を流します。 -
4.封止樹脂
チップ、電極、ワイヤを保護するための透明な樹脂です。
樹脂が透明なため、チップから発光した光を外部に放出します。
*白色LEDの場合は、蛍光体を混ぜるため透明でない場合があります -
5.保持樹脂
チップ、ワイヤ、電極を固定し保護するための樹脂です。
この保持樹脂により、外部からの衝撃や環境要因から保護します。