VD(ボルテージディテクタ)とはその名の通り、電圧を監視する製品です。
電圧検出器、電圧監視IC、リセットICなどの呼び方もあります。
前回はVD(ボルテージディテクタ)の主な使われ方,回路要素、種類によっての特長ついてご紹介しました。
今回はVD(ボルテージディテクタ)の外付け部品による応用についてご紹介します。

リセットICの外付け部品による応用
①高電圧の電源監視
高電圧の電源監視用にリセットICを使いたいが、ICの入力電圧定格を超えてしまう
⇒外付け抵抗R1, R2を用いる事により対応が可能です。
*注意点①:
ICの消費電流×R1分だけ入力電圧が低下するため、抵抗値は大きくし過ぎるのはNGです。(ex.100kΩ以下)
また、検出⇒解除時の貫通電流によって
VINがDrop⇒再び検出
検出⇒解除の貫通電流で・・・・
と“しゃっくり現象”を起こす場合があります。
しゃっくり現象は、抵抗-VIN端子間にCinを入れる事で対策可能です。
*注意点②:外部抵抗によるリーク電流が発生する。(VIN/(R1+R2))
*注意点③:抵抗R1,R2の比精度によりばらつきが大きくなる。

②ヒステリシス幅を大きくする
ヒステリシス幅をより大きく設定したい
⇒外付け抵抗R1, R2を用いる事により対応が可能です。
解除電圧が大きくなることでヒステリシス幅が大きくなります。(検出電圧は変わりません。)
検出電圧 = Vdet
解除電圧 = Vdet + Vhys
ヒステリシス幅 = Vhys
検出電圧 = Vdet
解除電圧 = (1+R1/R2) × (Vdet + Vhys)
ヒステリシス幅 = (R1/R2) × Vdet + (1+R1/R2) × Vhys
*外付け回路でヒステリシス幅を小さくすることはできません。
*応用➀と同様にR1の抵抗値を大きくしすぎるのはNGです。

③解除遅延時間の高精度化
電源ONから機器の起動完了までの時間を短くするために解除遅延時間をICの規定値よりも高精度にしたい
⇒外付け抵抗RD2で解除遅延時間の精度アップ *製品によっては適用できない可能性があります。
・内蔵抵抗RDは±50%程度ばらつく
RD2<<RDとしてRDを使わず、RD2でコンデンサーを充電します。
・外付け抵抗は温特含めて精度±2%以下程度の高精度なものがあります。
Rのバラツキを小さくして、解除遅延時間のばらつきを小さくします。
VTCD;CD端子のしきい値電圧

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