LEDの環境耐性
LEDは、さまざまな材料を組み合わせて構成されています。
そのため、使用環境によっては、材料が外部環境の影響を受けることがあります。
ここでは、その一例として硫化について解説します。
硫化現象とは
LEDは、チップからの光の取り出し効率を上げるため、リードフレームなどに銀を使う場合があります。
そのため、硫黄化合物がLEDの内部に入ってきた場合、銀と化学反応し黒化する現象があります。
黒化することで、LEDの明るさの低下、発光色の変化、オープンになったりします。
硫化耐性を向上させる仕組み
LEDの硫化耐性を向上させる方法には、大きく分けて以下の2つのアプローチがあります。
1. 硫黄化合物が侵入しないようにする方法
硫黄化合物がLED内部に侵入するのを防ぐために、封止樹脂にエポキシ樹脂を使用する方法が挙げられます。
エポキシ樹脂は、密閉性が高く、外部からの硫黄化合物の侵入を効果的に防ぐことができます。
2. 硫黄化合物と反応しない材料を採用する方法
硫黄化合物と化学反応を起こさない材料を使用することで、硫化の影響を防ぐことができます。
たとえば、金などの耐硫化性の高い材料を採用することで、硫化による劣化を抑えることが可能です。
これらの仕組みにより、LEDメーカーは、LEDの硫化耐性を向上させ、信頼性を高めています。
硫黄化合物からLEDを保護するには
LEDを硫黄化合物から保護するためには、以下の方法が効果的です。
1. 硫黄化合物が含まれない材料を採用する
たとえば、以下のようなものが挙げられます
- ゴム
- 基板のレジスト
- 排気ガス
- 温泉水
これらの硫黄化合物を含む材料を避け、硫黄化合物が含まれていないものを使用することで、LEDの硫化を防ぐことができます。特に、製品の使用環境や周辺材料を慎重に選定することが重要です。
2. 硫化耐性の高いLEDを採用する
硫黄化合物を完全に排除できない環境では、硫化耐性の高いLEDを使用することが有効です。
たとえば、封止樹脂にエポキシ樹脂を使用したり、銀を含まない設計のLEDを選択することで硫化の影響を
軽減できます。
これらの方法を組み合わせることで、LEDを硫化から保護し、長期間にわたって安定した性能を維持することができます。
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