TC1とは
TC1とは、Open
Allianceで規定されている100BASE-T1に求められる要求仕様とテスト仕様について制定されています。
その内容の資料が公式サイトに発行されています。本コラムでは仕様内容の概要をまとめました。
OPEN
ALLIANCEについてや他項目については以下のリンクよりご参照ください。
機能仕様
1. OPEN Alliance BroadR-Reach® (OABR) Physical Layer Transceiver Specification For Automotive Applications
IEEE 802.3-2012 を元に、100 Mb/s で動作する BroadR-Reach PHY
タイプ、物理コーディング サブレイヤー
(BR-PCS)、および物理メディア アタッチメント (BRPMA)
サブレイヤーを定義しています。
IEEE 802.3、特に 100 Mb/s PHY (Clause 21 ~ 25) および 1000 Mb/s
PHY (Clause 34 ~ 40) と併せて検討することを推奨しています。
2. IEEE 100BASE-T1 System Implementation Specification
自動車アプリケーションで使用することを意図した 100BASE-T1
インターフェイスの一般的な定義と要件が記載されています。また、この文書で定義された仕様は、EMC、相互運用性、適合性(PMA、PCS、PHYコントロール)の観点でテストする必要があります。
ただし、Power over Data Line (PoDL)
を使用する通信システムは、この仕様には関係ありません。
PoDLに関しては車載
Ethernetと電源ライン
をご覧ください。
3. Advanced diagnostic features for 100BASE-T1 automotive Ethernet PHYs TC1 - advanced PHY features
この仕様では、車載用 Ethernet PHY の診断目的など、100BASE-T1 車載用 Ethernet PHY (トランシーバーとも呼ばれる) の高度な機能について説明します。主に信号品質、ハーネス不具合診断、リンクアップ品質、極性検知が挙げられます。これらはレジスターにアクセスすることで確認できたりします。レジスターアクセス手法については Clause22/Clause45とは をご確認ください。
テスト仕様(機能)
4. BroadR-Reach DUT and Test Station Requirements
一般的な測定デバイス(DUT) のテスト要件が記載されています。特に ハードウェア、MDIコネクター、システム、フレームの送受信、電源について記載されています。
5. IEEE 100BASE-T1 PHY Control Test Suite
テストする際はTestMode状態のPHYを用います。本資料に各TestModeに対応するテストが記載されています。
6. IEEE 100BASE-T1 Physical Media Attachment Test Suite
100BASE-T1の PMAサブレイヤーの機能を評価するテスト手法が記載されています。特に各テストに関連する動機、リソース、手順、検証方法の詳細説明が記載されています。PMAについては 車載用PHYとは に記載されています。
7. IEEE 100BASE-T1 Physical Coding Sublayer Test Suite
100BASE-T1の PSCサブレイヤーの機能を評価するテスト手法が記載されています。特に各テストに関連する動機、リソース、手順、検証方法の詳細説明が記載されています。PMAについては 車載用PHYとは に記載されています。
8. 100BASE-T1 Interoperability Test Suite
100BASE-T1 対応 PHY
を使用する複数のデバイス間の相互運用性を評価するテスト手法が記載されています。
特に、3. Advanced diagnostic features for 100BASE-T1 automotive
Ethernet PHYs TC1 - advanced PHY features
の項目のテスト手法が記載されています。また、テスト項目はPHY/スイッチの構成と外部フィルターも考慮に入れます。
テスト仕様(ノイズ)
9. IEEE 100BASE-T1 EMC Test Specification for Transceivers
自動車用アプリケーションにおける 100BASE-T1 トランシーバーの EMC
評価のため、Ethernetインターフェイスの物理層に焦点を当てたテスト手法が記載されています。
ただし、Power over Ethernet
アプリケーションで使用することを目的としたデバイスには適用されません。
Power over Ethernet に関しては
車載Ethernetと電源ライン
をご覧ください。
10. IEEE 100BASE-T1 EMC Test Specification for Common Mode Chokes
自動車用アプリケーションにおける 100BASE-T1
で使用することを意図したコモンモードチョーク (CMC) の EMC
評価のためのテスト手法が記載されています。
ただし、Power over Data Line
アプリケーションで使用することを目的としたデバイスには適用されません。
Power over Data Line に関しては
車載Ethernetと電源ライン
をご覧ください。
11. IEEE 100BASE-T1 EMC Test Specification for ESD suppression devices
自動車用アプリケーションにおける100BASE-T1で使用することを意図したESD抑制デバイスのEMC評価のためのテスト手法が記載されています。
EMCについては
車載Ethernetと品質基準
をご覧ください。
まとめ
100BASE-T1に求められる要求仕様とテスト仕様について制定されているTC1について解説しました。
100BASE-T1を評価する際はこれらの資料をご確認ください。
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