PHYが対向PHYと通信する際には、信号を変換した後送受信を行います。SWITCHなどのOSI参照モデルlayer2のデバイスからMII(Media Independent Interface)と呼ばれるインターフェースを用いてデジタル信号を受信し、アナログ信号に変換したMDI(Medium Indipendent Interface)と呼ばれるインターフェースを用いて対向PHYに送信します。 一方、対向PHYから受信する際には、アナログ信号からデジタル信号に変換し、layer2のデバイスにデジタル信号を送信します。本記事ではMDI及び車載EthernetPHY間で送受信される信号について解説します。

MDI(Medium Indipendent Interface)
MDIとは、有線を用いて2つのデバイス間を通信するためのインターフェースです。
同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバーのいずれかを媒体として電圧変化もしくは光の明滅などのアナログ信号を用いて情報を伝達し合います。
例として、車載EthernetPHYには100BASE-T1や1000BASE-T1が使用されています。これらはツイストペアケーブルを媒体とし、アナログ電圧信号を用いて対向PHYにデータ伝達を行います。
信号変換(100BASE-T1)
100BASE-T1はMDIでデータ送信するために、データ変換を行います。4bitことに区切られたデータを、3bitごとに区切られたデータに変換の後、アナログ信号に変換し対向デバイスに送信します。信号受信の際には送信変換と逆の変換を行います。
4B/3B変換
アナログ信号に変換するため、4bitことに区切られたデータを3bitごとに区切り直します。4B/3B変換した後、3bitパケットのbit数が3の倍数でない場合、パケットの最後にスタッフビットを1bitまたは2bit追加します。

4B/3Bのタイミングチャートは以下の通りです。100BASE-T1において、TX_CLK と pcs_txclkの周波数は4B/3B 変換で同じビット単位のスループットを維持するために、それぞれ 25 MHz と 33.333 MHzです。

3B2T
3bitに区切られたデータを、2 つの3値信号レベルに変換します。これにより通信周波数を押さえることができます。100BASE-T1において、100MHzから66.67MHzに低減できます。 送信データの最初のオクテット(SSD)及び送信データの最後のオクテット(ESD)はAT及びBTが0の値を取ります。

PAM3
PAM3(Pulse Amplitude Modulation 3-level)は、3値符号化方式で、-1、0、+1または0、1、2の3値で情報を伝送します。100BASE-T1では-1、0、+1の3値の電圧を用いてTAとTBを交互に伝送します。

信号変換(1000BASE-T1)
100BASE-T1はMDIでデータ送信するために、データ変換を行います。4bitことに区切られたデータを、3bitごとに区切られたデータに変換の後、アナログ信号に変換し対向デバイスに送信します。信号受信の際には送信変換と逆の変換を行います。

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