車載イーサネット(Ethernet)にて用いられている規格、Open Allianceについてお伝えします。

Open Allianceとは
Open Allianceは、ネットワークへの普及と発展を促進するために設立された業界団体です。2011年から活動をはじめ、2021年に正式設立を発表しました。
イーサネット(Ethernet)の自動車におけるイーサネットの標準化と相互運用性の向上を通じて、異なるベンダー間での製品の互換性を確保し、市場における実装の課題を減らすことに取り組んでいます。
Open
Allianceの目的は、イーサネットの技術的な進歩を推進し、イーサネットの利用範囲を拡大することです。具体的には、高速化、低コスト化、省電力化、信頼性の向上など、イーサネットの性能や機能の向上に関する取り組みを行っています。

Open Allianceの参画企業
会員数が160名を超えており、車両通信ネットワークに関わる多くの企業が参画してることが伺えます。その中でも、本規格団体が正式設立された際、その発表に携わった企業は以下です。
正式設立発表時の参加企業
BMW、ボッシュ、ブロードコム、コンチネンタル、ゼネラルモーターズ、現代自動車、マーベル、NXPセミコンダクターズ、ルネサス、トヨタ自動車、フォルクスワーゲン、ボルボ・カーズ
Open Alliance規格は、参画企業間でワーキンググループを形成し、企業間で情報共有しながら、共同作業により作成されます。

IEEEとの違い
Open Allianceの規格は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)などの標準化団体が策定するイーサネットの規格とは異なります。Open Alliance規格は、業界団体内での合意に基づき、自動車アプリケーション向けに規格検討されており、IEEEなどの標準化団体の承認を必要としません。ただし、OpenAllianceの規格は、IEEEの規格と互換性を持つように設計されています。

Open Allianceで規定される技術
現在、主に以下の規格が規定されています。
・1000BASE-T1(1000Mbit/s)
・100MBASE-T1(100Mbit/s)
・10BASE-T1S(10Mbit/s)
・その他(ECUテスト、イーサネットスイッチ要件など)
またこれら以外にも、現在参画企業により規格の議論がなされています。 規格にはTC xx(xx = 数字が入ります)という名称がつけられており、現在TC1からTC17まで存在しています。

Open Alliance規格の利点
従来のEthernet通信や、車で使用されているLVDS等の高速通信では、ケーブルが複数本必要でした。これに対して、Open
Alianceで規定された100BASE-T1や1000BASE-T1と呼ばれる、○○-T1と付く規格では、1ペアのケーブルで通信を確立しています。
これにより使用するケーブル数が減るため、ケーブルのコスト削減や、ケーブルによる車重の軽量化に対して利点があります。

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