車載Ethernet(イーサネット)とは何か
近年、車室内通信の通信データ量が増加傾向にあり、データ量増加による通信速度の高速化が望まれています。
そのため、CAN/LIN/Flexlayといった既存のデータ通信規格ではカバーすることがが厳しくなってきました。
車室内通信の高速化需要に対応するべく登場したのが車載Ethernetです。
車載Ethernetの特徴
一般的に利用されているEthernetと、車載Ethernetの違いは下記図の通りです ※100BASEは100Mbps、1000BASEは1000Mbpsを指します。
車載Ethernet規格は「T1規格」と呼ばれており、Broadcom社のBroadR-Reachをベースに、
- 100BASE-T1 : IEEE802.3bw
- 1000BASE-T1 : IEEE802.3bp
として規格化されています。
T1規格の最大の特徴は通信ペア数が1ペアとなっている点です。
ケーブルの種類はUTP(Unshielded Twist Cable)とSTP(Shielded Twist
Cable)があり、ケーブルの要件定義は自動車ネットワークの標準化目的に運営されているOPEN ALLIANCEのTC (Tech Committees) 9で要件定義されています。

UTP/STPケーブルとは
UTPケーブルとSTPケーブルの大きな特徴は、下記図の通りです。
名前の通り、UTPケーブルにはシールドがなく、STPケーブルには撚り線を覆うようにシールドが存在します。

ケーブル要件
TC9で定義されている代表的なケーブル要件(ケーブル長および接続構成)は、下記図の通りです。
STP/UTPともにケーブル長は最大で15m、中継コネクタは最大4個と定義されています。

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