レジスタにアクセスすることによって、レジスタ値を読み取ったり、更新したりできます。
前回のコラムでは、MDIOは車載Ethernet規格(IEEE802.3)のClause 22およびClause
45で定義されていることをお伝えしました。 本コラムでは、Clause 22とClause 45の詳細および、違いについて解説します。
動作原理
レジスタアクセス
MDIO及びMDCの2本のシリアルバスを用いて各種設定を行います。 レジスタにアクセスすることによって、例えば、 オートネゴシエーション、MACsec、TC10、SQI(通信品質)など、各設定の状態を確認したり変更したりできます。
各種機能については、リンク先で解説していますので、ぜひご覧ください。
| 機能 | レジスタアドレス(例) | 読み/書き | 初期値 | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| オートネゴシエーション | 2.8083.15 | 読み書き可能 | 0 |
1:Auto Negotiation enable 0:Auto Negotiation disable |
| MACSEC | 3.FDFB.15 | 読み書き可能 | 0 |
1:MACSEC enable 0:MACSEC disable |
| TC10 | 5.5011.15 | 読み書き可能 | 0 |
1:TC10 enable 0:TC10 disable |
| SQI | 7.8083.[15:13] | 読みこみ可能 | 0 |
This is the Signal Quality Index (SQI). The SQI level is listed from 0 to 7 in accordance with the ascending signal quality. The SQI level is reported as 0 during the link up process and if there is no link up. |
レジスタアドレス
各レジスタビットには0もしくは1の情報を保存することができます。保存情報によって機能設定や状態の確認が可能です。
Clause 22
Clause 22については、前回のコラムの一例として説明します。また、電源電圧は5Vのみサポートしています。
| 名称 | 概要 | Bit数 | 説明 |
|---|---|---|---|
| Preamble | プリアンブル | 32 |
Host⇔PHY間の同期を取るための信号 MASTERが32Clockを送信 |
| ST | スタートコンディション | 2 | 通信開始を示します。2bit[01]で開始です。 |
| OP | オペレーションコード | 2 |
Read/Writeオペレーションを指定します。 ・Read:2bit[10] ・Write:2bit[01] |
| PHYADR | PHYアドレス | 5 |
PHYアドレスを指定します。 ※MDIOラインに複数のPHYを接続する場合、 PHYアドレスが重複しないように注意が必要です。 |
| REGADR | レジスタアドレス | 5 | アクセスしたいレジスタを指定します。 |
| TA | ターンアラウンド | 2 |
Read/Writeオペレーションを指定します。 ・Read:2bit[z0] ・Write:2bit[10] ※注意:Read測定後、下記DATA Read完了まで、 サンプルエッジがFalling Edgeになります。 |
| DATA | データ | 16 |
Read/Writeオペレーションを指定します。 ・Read:Slave側から指定のアドレスのデータが出力されます。 ・Write:書き込みたいデータを指定。 |
| IDLE | アイドルコンディション | 1 | 通信終了を示します。 |
Clause 45
Clause 22との大きな違いは、レジスタへのアクセス方法です。1フレーム目でアドレスフレームを送信し、2フレーム目でRead/Writeオペレーションを指定します。これによって、65536個のアドレスにアクセスできるようになります。その他にも、電源電圧は1.2Vをサポートしています。また、Clause 45は、Clause 22の上位互換であり、相互運用が可能です。
| 名称 | 概要 | Bit数 | 説明 |
|---|---|---|---|
| Preamble | プリアンブル | 32 |
Host⇔PHY間の同期を取るための信号 MASTERが32Clockを送信 |
| ST | スタートコンディション | 2 | 通信開始を示します。2bit[00]で開始です。 |
| OP | オペレーションコード | 2 |
Address/Read/Writeオペレーションを指定します。 ・[00]:Address ・[01]:Write ・[11]:Read ・[10]:Read+Addr |
| PHYADR | PHYアドレス | 5 |
PHYアドレスを指定します。 ※MDIOラインに複数のPHYを接続する場合、 PHYアドレスが重複しないように注意が必要です。 |
| DEVICETYPE | レジスタアドレス | 5 | アクセスしたいデバイスを指定します。 |
| TA | ターンアラウンド | 2 |
Read/Writeオペレーションを指定します。 ・Read:2bit[z0] ・Write:2bit[10] ※注意:Read指定後、下記DATA Read完了まで、 サンプルエッジがFalling Edgeになります。 |
| DATA | データ | 16 |
Address/Read/Writeオペレーションを指定します。 ※1フレーム目はAddressを指定、 2フレームはRead/Writeを指定。 |
| IDLE | アイドルコンディション | 1 | 通信終了を示します。 |
MDIO 電気的インターフェース
Clause22デバイスでは、VDDが5V、Clause45デバイスではVDDが1.2Vのように、電気的インターフェースは異なります。
Clause22デバイスとClause45デバイスを接続する際には、プロトコル対応の電圧変換デバイスが必要です。ただし、Clause22-registerを持つClause45ならば、変換デバイスは不要です。
変換デバイスは、Clause22デバイスとClause45デバイスのMDIOラインおよび、MDCラインを同じ状態で駆動させる必要があり、Clause22デバイスのPHY
addressを認識する必要があります。
Clause45デバイスがST=00のフレームを駆動した場合、Clause22デバイスは無視されます。
- STA: Station Management Entity
- MMD: MDIO Management Device
- PU: Pull-Up Register
まとめ
本コラムでは、Clause 22およびClause 45の詳細および、違いついて解説しました。Clause 22とClause 45は、規格として異なる点がありますが、これらを使用すると機能を設定したり、状態を確認したりすることができます。
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